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≪ 表面処理 ≫
銅メッキ
シアン浴 |
シアン浴 |
シアン浴
アルカリ性浴のシアン化銅浴、ピロリン酸銅浴は均一電着性に優れ、その特性を利用して広く利用されている。シアン化銅浴は、複雑な形状の亜鉛、アルミニウムダイカストの下地めっきとして利用されている。
シアン化銅浴はシアン化銅錯イオンと、過剰の遊離シアン化アルカリを含む液から電着され、酸性浴に比べ高い過電圧のもとでめっきされるため緻密なめっき層が得られ、均一電着性に優れている。金属銅への還元電位が低いため、鉄鋼や亜鉛ダイカスト、黄銅などの表面へも銅の置換析出が起こらない。また、複雑な形状の品物の内部や、ピンホールなどの素材欠陥の内部までもめっきがよく付きまわるため、他種のめっきに先立って素材に施されるストライクとして広く利用されている。シアン化銅ストライクを行うと、素材が密着性の良い銅皮膜で覆われ、後のめっきの付きまわりが改善されると同時に耐食性も向上する。さらに、めっき浴中への素材金属の溶解も防ぐことができ、浴の汚染が防止できる。浴中のシアン化アルカリは、素材表面についた油などの汚れを洗浄しその表面を電気化学的に活性化させる作用をもつため、前処理不足も補う効果もある。
シアン化銅浴はシアン化銅錯イオンと、過剰の遊離シアン化アルカリを含む液から電着され、酸性浴に比べ高い過電圧のもとでめっきされるため緻密なめっき層が得られ、均一電着性に優れている。金属銅への還元電位が低いため、鉄鋼や亜鉛ダイカスト、黄銅などの表面へも銅の置換析出が起こらない。また、複雑な形状の品物の内部や、ピンホールなどの素材欠陥の内部までもめっきがよく付きまわるため、他種のめっきに先立って素材に施されるストライクとして広く利用されている。シアン化銅ストライクを行うと、素材が密着性の良い銅皮膜で覆われ、後のめっきの付きまわりが改善されると同時に耐食性も向上する。さらに、めっき浴中への素材金属の溶解も防ぐことができ、浴の汚染が防止できる。浴中のシアン化アルカリは、素材表面についた油などの汚れを洗浄しその表面を電気化学的に活性化させる作用をもつため、前処理不足も補う効果もある。
シアン化銅浴の種類
低濃度浴は主に銅ストライクとして、ロッシェル塩浴は陽極の溶解性を向上させるため、中濃度浴は光沢シアン化銅浴として最も多く銅下地めっきに、高濃度浴は、高電流密度で作業ができるため、厚いめっきを得るため場合に用いられる。シアン化銅浴の組成、作業条件、用途は表−1に示す。
【表−1 シアン化銅めっき浴の種類】
【表−1 シアン化銅めっき浴の種類】
項目/種類 | 低濃度浴 | ロッシェル塩浴 | 中濃度浴 | 高濃度浴 | |
ナトリウム浴 | カリウム浴 | ||||
(組成) | |||||
シアン化銅(g/l) | 23 | 26 | 41 | 100 | 60 |
シアン化ナトリウム(g/l) | 34 | 35 | 56 | 125 | 94 |
水酸化ナトリウム(g/l) | - | - | 15 | 30 | 42 |
炭酸ナトリウム(g/l) | 15 | 30 | - | 15 | 15 |
ロッシェル塩(g/l) | - | 45 | - | - | - |
添加剤 | - | (使用) | (使用) | (使用) | (使用) |
(作業条件) | |||||
温度(℃) | 32〜44 | 54〜72 | 60〜71 | 76〜82 | 76〜82 |
電流密度(A/dm2) | 1〜15 | 2〜4 | 2〜4 | 3〜6 | 3〜6 |
陽極面積(対陰極) | 2:1 | 2:1 | 2:1 | 2:1 | 2:1 |
攪拌 | カソードロッカー | カソードロッカー及び空気攪拌 | 左に同じ | 左に同じ | 左に同じ |
ろ過 | 連続ろ過 | 左に同じ | 左に同じ | 左に同じ | 左に同じ |
用途 | ストライク | ストライク又は薄いめっき | 通常のめっき | 光沢めっき 厚いめっき |
左に同じ |
目標膜厚(μm) | 1.3〜2.5 | 1.3〜2.5 | 2.5〜25 | 7.5〜50 | 7.5〜50 |
期待電流効率(%) | 30 | 50 | 60〜80 | 100 | 100 |
用途
ストライク用、下地めっき用(防錆)、無光沢めっきは浸炭防止や工業用厚付け。
性質
【銅分】
銅濃度の増加は遊離シアンの減少、逆に銅濃度の減少は遊離シアンの増加と大体同様な効果を示す。銅濃度の増加は、陰極及び陽極効率を高め、高電流密度で高能率の作業を可能にする。
【遊離シアン化アルカリ】
陽極の溶解を円滑に行うために必要。液温によりより著しく影響をうけ、高温になるとシアン化銅錯イオンの解離が促進されるため遊離シアン濃度が高くなる。遊離シアン濃度が極端に低下すると、析出結晶が粗大となり、密着性が悪くなる。陽極においては、不導体皮膜を生成する。
【水酸化アルカリ】
水酸化カリウムまたはナトリウムが使用され、その作用は主に導電率の改善である。過剰の水酸化アルカリの添加は炭酸アルカリの生成が多くなり、逆に水酸化アルカリが少なすぎるとシアン化アルカリが不安定になる。目的に応じたpH調整が必要である。
銅濃度の増加は遊離シアンの減少、逆に銅濃度の減少は遊離シアンの増加と大体同様な効果を示す。銅濃度の増加は、陰極及び陽極効率を高め、高電流密度で高能率の作業を可能にする。
【遊離シアン化アルカリ】
陽極の溶解を円滑に行うために必要。液温によりより著しく影響をうけ、高温になるとシアン化銅錯イオンの解離が促進されるため遊離シアン濃度が高くなる。遊離シアン濃度が極端に低下すると、析出結晶が粗大となり、密着性が悪くなる。陽極においては、不導体皮膜を生成する。
【水酸化アルカリ】
水酸化カリウムまたはナトリウムが使用され、その作用は主に導電率の改善である。過剰の水酸化アルカリの添加は炭酸アルカリの生成が多くなり、逆に水酸化アルカリが少なすぎるとシアン化アルカリが不安定になる。目的に応じたpH調整が必要である。
【カリウムイオンとナトリウムイオン】
一般にシアン化アルカリ、水酸化アルカリの使用ではカリウムイオンの方が優れた作用を示す。伝導率・平滑能の改善、光沢めっきでは光沢の改善と範囲を広くする。さらに陰極効率もカリウムの方が優れているため、浴のpH調整には水酸化カリウムを添加するのが望ましい。
【炭酸アルカリ】
炭酸根は添加しなくても遊離シアン化アルカリ、水酸化アルカリなどが空気中の酸素や炭酸ガスとの接触、電解酸化などで徐々に生成・蓄積される。炭酸アルカリの適量の存在は伝導率を高めるために必要である。しかし、過剰になると電流効率や導電率の低下、粘度の上昇による汲み出しの増加に繋がるため一定に管理する必要がある。過剰に生成してしまった場合は液温を10℃以下に冷却し炭酸塩を晶出除去するか水酸化バリウムなどの薬品で除去する。しかし、バリウム塩での炭酸塩除去はpHを上昇させるため酒石酸により中和する必要がある。酒石酸による中和はシアン化水素を発生させるため十分注意する。
【酒石酸塩】
不可欠な成分ではないが、遊離シアン濃度を低くして使用する場合、陽極溶解を改善するためにロッシェル塩(酒石酸ナトリウムカリウム)、酒石酸カリウムなどを使用する。
一般にシアン化アルカリ、水酸化アルカリの使用ではカリウムイオンの方が優れた作用を示す。伝導率・平滑能の改善、光沢めっきでは光沢の改善と範囲を広くする。さらに陰極効率もカリウムの方が優れているため、浴のpH調整には水酸化カリウムを添加するのが望ましい。
【炭酸アルカリ】
炭酸根は添加しなくても遊離シアン化アルカリ、水酸化アルカリなどが空気中の酸素や炭酸ガスとの接触、電解酸化などで徐々に生成・蓄積される。炭酸アルカリの適量の存在は伝導率を高めるために必要である。しかし、過剰になると電流効率や導電率の低下、粘度の上昇による汲み出しの増加に繋がるため一定に管理する必要がある。過剰に生成してしまった場合は液温を10℃以下に冷却し炭酸塩を晶出除去するか水酸化バリウムなどの薬品で除去する。しかし、バリウム塩での炭酸塩除去はpHを上昇させるため酒石酸により中和する必要がある。酒石酸による中和はシアン化水素を発生させるため十分注意する。
【酒石酸塩】
不可欠な成分ではないが、遊離シアン濃度を低くして使用する場合、陽極溶解を改善するためにロッシェル塩(酒石酸ナトリウムカリウム)、酒石酸カリウムなどを使用する。
浴種
アルカリ浴:シアン化銅めっき浴
メッキ法
電気めっき法