装飾クロムメッキ

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≪ 表面処理 ≫

クロムメッキ
装飾
装飾クロムメッキ
特徴
一般装飾用めっきの最上層に施される薄いクロムめっきは、光沢めっきであり、通常の大気中では光沢の劣化がないため、ニッケルめっきの保護膜として、さらに、特有の深みのある金属光沢を有する色調は、あらゆる部品の最終仕上げとして、装飾めっきに使用されている。

用途
通常の大気中では光沢の劣化がないため、ニッケルめっきの保護膜として、さらに、特有の深みのある金属光沢を有する色調は、あらゆる部品の最終仕上げとして、装飾めっきに使用されている。

性質
装飾クロムめっきは、主としてニッケルめっきの保護膜として、また、クロムめっき皮膜の高度の光沢と特有の色調が活用されている。めっき浴としては、サージェント浴と呼ばれるクロム酸‐硫酸浴が古くより一般に使用されている。最近では各社の製剤が使用されている。これらの製剤の多くはケイフッ化物を含有した混合触媒浴であり、
(1)つきまわりが良好であり
(2)作業条件範囲が広い
(3)光沢ニッケルめっきの表面状態に左右されることが少ない
(4)管理がらくである
などの特性を有している。

【表1  ケイフッ化物添加浴の利点と欠点】
利点 欠点
a.電流効率が高い  
b.つきまわりがよい a.液の腐食性大
c.作業範囲が広い b.ごく低電流密度部のニッケルがエッチングされる
d.高電流密度が可能 c.不純物と錯体を作り、触媒根のバランスをくずす
e.均一電着性がよい d.SO42-の添加量が少なくなり管理が困難
f.電流中断が可能 e.F及びF-化合物の分析管理が困難
g.不動態ニッケル上に可能 f.加熱設備に良好なものがない
h.高電流密度のクラックが少ない  


浴種
【各種のクロムめっき浴の組成と作業条件】
  クロム酸-硫酸浴 クロム酸-ケイフッ化ナトリウム-硫酸浴 テトラクロメート浴
サージェント浴 林浴 小西浴 バレルめっき Bomhauser浴
クロム酸 g/l 200〜300 250 50 300 320
クロム酸/硫酸 100/l - - - 500/l
ケイフッ化ナトリウム g/l - 5〜10 0.5 20 -
硫酸 g/l 2〜3 0.7〜1.5 0.5 0.25 -
水酸化ナトリウム g/l - - - - 50
三価クロム g/l - - - - 6〜10
温度 ℃ 40〜55 50〜60 50〜60 35 15〜21
電流密度 A/dm2 10〜60 30〜60 30〜60 - 20〜90


【クロムめっき浴の電流効率】
浴温度(℃) 25 35 45 55 65
電流密度(A/dm2
10 24 13 12 10 -
20 32 19 16 13 -
30 36 25 18 16 12
40 - 34 19 17 13
50 - 36 21 18 15
60 - - 22 19 16


メッキ法
電気めっき法

作業工程
一般に行われている鉄鋼部品のめっき工程は次のようになる。
素地加工→仕上げ研磨→予備洗浄→マスキング→治具取り付け→仕上げ洗浄→水洗→陽極処理→クロムめっき→水洗→治具取外し→水洗→乾燥→加熱処理→仕上げ研磨

予備洗浄および仕上げ洗浄は油脂類、酸化物、スマットなどが付着していると密着が劣るので、適切な洗浄および陽極処理を行う。マスキングはクロムめっきを必要としない部分にめっきが付かないよう、絶縁テープや布をあて、塗料や鉛箔でカバーする。 

陽極処理(エッチング)は材質によって適当な電解液および電解条件を選ばなければならない。普通鉄鋼素地に対してはクロム酸200g/l、またはめっき液を使用し室温かめっき温度で10〜30A/dm2で処理する。

浴の管理
クロムめっき浴の管理は、現場的には、比重計とハルセル試験で簡単に行われることも多い。最近はイオン電極の普及により、ケイフッ化物を正確に、定量することが可能になっている。

触媒根が多い場合は被覆力が低下するので、ハルセル試験で容易に判断できるが、触媒根の少ない場合は一般に良好なつきまわりを示すので、この点注意する必要がある。亜鉛や銅が混入した場合も被覆力が低下し、低電流密度部のニッケルがエッチングされることがある。鉄は化学分析によるものが最もよい。金属不純物が多くなった場合、クロム酸濃度を高めることが唯一の救済法である。三価のクロムや金属不純物の除去には、ポーラスカップが今でも使用されている。

3価クロムと6価クロムの比較
【〈表1〉 3価クロムめっきと6価クロムめっきとの比較】
  3価クロムめっき  6価クロムめっき
シングルセル ダブルセル  
クロム濃度(g/L) 20〜24 5〜10 75〜150
pH 2.3〜3.9 3.3〜3.9 1以下
陰極電流密度(A/dm2 5〜20 4〜15 10〜30
温度(℃) 21〜49 21〜54 35〜50
攪拌 空気攪拌 空気攪拌 -
アノード グラファイト 鉛−錫合金 鉛−錫合金
めっき速度(μm/min) 0.2 0.1 0.1
最大めっき厚み(μm) 2 0.25 100以上
均一電着性 ×
つき廻り性 ×
析出構造 マイクロボーラス マイクロボーラス ノンマイクロボーラス
色調 深味金属色 深味金属色 青味金属色
後処理 必要 必要 不要
廃水処理 容易 容易 普通
安全性 ニッケルめっき同様に安全 ニッケルめっき同様に安全 危険
ミスト ほとんど削除される ほとんど削除される 多量
におい ほとんど削除される ほとんど削除される 強い
不純物除去 容易 容易 難しい


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