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≪ 表面処理 ≫
クロムメッキ
硬質 |
硬質クロムメッキ |
特徴
硬質クロムめっきは、あらゆる産業分野に利用されている。これは、クロムめっきの優れた性質によるもので、硬さが大であり、摩擦係数が小さいので、耐摩耗性が優れ、耐食性、密着性がよく金型に使用すると剥離型が良好であり、摩滅や削り過ぎた部品の補修などができるなどによるものである。
用途
摩滅や削り過ぎた部品の補修など。
性質
硬さが大であり、摩擦係数が小さいので、耐摩耗性が優れ、耐食性、密着性がよく金型に使用すると剥離型が良好である。
浴種
【各種のクロムめっき浴の組成と作業条件】
【クロムめっき浴の電流効率】
ケイフッ化物添加浴も使用されるが、フッ化物の作用でめっきの付かない部分の鉄材を溶かし、その鉄イオンが浴にも影響を与えるため、非フッ化物触媒が開発されて製品として市販されている。その浴の電流効率は、25%またはそれ以上になる。また、そのめっき皮膜は、マイクロクラックになっていて、しかも浅い割れであるから、耐食性が良い。
サージェント浴においても、パルス反転電流でめっきするとノンクラック皮膜が得られるが、皮膜の硬さが500〜600HVになるため、耐食性は良好になるが耐摩耗性は劣ることになる。しかし、別な用途が可能となる。
クロム酸-硫酸浴 | クロム酸-ケイフッ化ナトリウム-硫酸浴 | テトラクロメート浴 | |||
サージェント浴 | 林浴 | 小西浴 | バレルめっき | Bomhauser浴 | |
クロム酸 g/l | 200〜300 | 250 | 50 | 300 | 320 |
クロム酸/硫酸 | 100/l | - | - | - | 500/l |
ケイフッ化ナトリウム g/l | - | 5〜10 | 0.5 | 20 | - |
硫酸 g/l | 2〜3 | 0.7〜1.5 | 0.5 | 0.25 | - |
水酸化ナトリウム g/l | - | - | - | - | 50 |
三価クロム g/l | - | - | - | - | 6〜10 |
温度 ℃ | 40〜55 | 50〜60 | 50〜60 | 35 | 15〜21 |
電流密度 A/dm2 | 10〜60 | 30〜60 | 30〜60 | - | 20〜90 |
【クロムめっき浴の電流効率】
浴温度(℃) | 25 | 35 | 45 | 55 | 65 |
電流密度(A/dm2) | |||||
10 | 24 | 13 | 12 | 10 | - |
20 | 32 | 19 | 16 | 13 | - |
30 | 36 | 25 | 18 | 16 | 12 |
40 | - | 34 | 19 | 17 | 13 |
50 | - | 36 | 21 | 18 | 15 |
60 | - | - | 22 | 19 | 16 |
ケイフッ化物添加浴も使用されるが、フッ化物の作用でめっきの付かない部分の鉄材を溶かし、その鉄イオンが浴にも影響を与えるため、非フッ化物触媒が開発されて製品として市販されている。その浴の電流効率は、25%またはそれ以上になる。また、そのめっき皮膜は、マイクロクラックになっていて、しかも浅い割れであるから、耐食性が良い。
サージェント浴においても、パルス反転電流でめっきするとノンクラック皮膜が得られるが、皮膜の硬さが500〜600HVになるため、耐食性は良好になるが耐摩耗性は劣ることになる。しかし、別な用途が可能となる。
メッキ法
電気めっき法
作業工程
一般に行われている鉄鋼部品のめっき工程は次のようになる。
素地加工→仕上げ研磨→予備洗浄→マスキング→治具取り付け→仕上げ洗浄→水洗→陽極処理→クロムめっき→水洗→治具取外し→水洗→乾燥→加熱処理→仕上げ研磨
予備洗浄および仕上げ洗浄は油脂類、酸化物、スマットなどが付着していると密着が劣るので、適切な洗浄および陽極処理を行う。マスキングはクロムめっきを必要としない部分にめっきが付かないよう、絶縁テープや布をあて、塗料や鉛箔でカバーする。
陽極処理(エッチング)は材質によって適当な電解液および電解条件を選ばなければならない。普通鉄鋼素地に対してはクロム酸200g/l、またはめっき液を使用し室温かめっき温度で10〜30A/dm2で処理する。
素地加工→仕上げ研磨→予備洗浄→マスキング→治具取り付け→仕上げ洗浄→水洗→陽極処理→クロムめっき→水洗→治具取外し→水洗→乾燥→加熱処理→仕上げ研磨
予備洗浄および仕上げ洗浄は油脂類、酸化物、スマットなどが付着していると密着が劣るので、適切な洗浄および陽極処理を行う。マスキングはクロムめっきを必要としない部分にめっきが付かないよう、絶縁テープや布をあて、塗料や鉛箔でカバーする。
陽極処理(エッチング)は材質によって適当な電解液および電解条件を選ばなければならない。普通鉄鋼素地に対してはクロム酸200g/l、またはめっき液を使用し室温かめっき温度で10〜30A/dm2で処理する。
浴の管理
クロムめっき浴の管理は、現場的には、比重計とハルセル試験で簡単に行われることも多い。最近はイオン電極の普及により、ケイフッ化物を正確に、定量することが可能になっている。
触媒根が多い場合は被覆力が低下するので、ハルセル試験で容易に判断できるが、触媒根の少ない場合は一般に良好なつきまわりを示すので、この点注意する必要がある。亜鉛や銅が混入した場合も被覆力が低下し、低電流密度部のニッケルがエッチングされることがある。鉄は化学分析によるものが最もよい。金属不純物が多くなった場合、クロム酸濃度を高めることが唯一の救済法である。三価のクロムや金属不純物の除去には、ポーラスカップが今でも使用されている。
触媒根が多い場合は被覆力が低下するので、ハルセル試験で容易に判断できるが、触媒根の少ない場合は一般に良好なつきまわりを示すので、この点注意する必要がある。亜鉛や銅が混入した場合も被覆力が低下し、低電流密度部のニッケルがエッチングされることがある。鉄は化学分析によるものが最もよい。金属不純物が多くなった場合、クロム酸濃度を高めることが唯一の救済法である。三価のクロムや金属不純物の除去には、ポーラスカップが今でも使用されている。
3価クロムと6価クロムの比較
【〈表1〉 3価クロムめっきと6価クロムめっきとの比較】
3価クロムめっき | 6価クロムめっき | ||
シングルセル | ダブルセル | ||
クロム濃度(g/L) | 20〜24 | 5〜10 | 75〜150 |
pH | 2.3〜3.9 | 3.3〜3.9 | 1以下 |
陰極電流密度(A/dm2) | 5〜20 | 4〜15 | 10〜30 |
温度(℃) | 21〜49 | 21〜54 | 35〜50 |
攪拌 | 空気攪拌 | 空気攪拌 | - |
アノード | グラファイト | 鉛−錫合金 | 鉛−錫合金 |
めっき速度(μm/min) | 0.2 | 0.1 | 0.1 |
最大めっき厚み(μm) | 2 | 0.25 | 100以上 |
均一電着性 | ○ | ○ | × |
つき廻り性 | ○ | ○ | × |
析出構造 | マイクロボーラス | マイクロボーラス | ノンマイクロボーラス |
色調 | 深味金属色 | 深味金属色 | 青味金属色 |
後処理 | 必要 | 必要 | 不要 |
廃水処理 | 容易 | 容易 | 普通 |
安全性 | ニッケルめっき同様に安全 | ニッケルめっき同様に安全 | 危険 |
ミスト | ほとんど削除される | ほとんど削除される | 多量 |
におい | ほとんど削除される | ほとんど削除される | 強い |
不純物除去 | 容易 | 容易 | 難しい |