黒色クロムメッキ

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≪ 表面処理 ≫

クロムメッキ
黒色クロムメッキ
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特徴
黒色クロムめっき皮膜中のクロム含有量は、約55〜80%でめっき浴の種類によって異なる。析出物は、金属クロムとクロム酸化物、水和物からなると考えられている。黒色を有するのは、普通、表面のごく薄い皮膜である。装飾めっきに黒色クロムに採用する場合重要なことは、黒色クロムめっき部品として新しくデザインすることで、これまで他のめっきを行っていた部品を、そのまま黒色クロムめっきに置き換えることは避けるほうが良い。

【表1 黒色クロムめっきの 浴組成および作用条件】
三酸化クロム g/l 250〜400 200 200〜300 300〜400 200〜300 200〜300
氷酢酸 g/l 3 6.5 - 5〜450 - -
酢酸バリウム g/l - - 3〜7 - - -
尿素 g/l 3 - - - - -
塩化ニッケル g/l - 80 - - - -
硝酸ナトリウム g/l - 5 7〜12 - - -
ケイフッ酸 g/l - - - - - 0.12〜1.0
フッ化バリウム g/l - - - - 2.0〜5.0 -
温度 ℃ 25 30〜50 30〜50 10〜20 20〜40 20〜40
陰極電流密度 A/dm2 50 100 100 30〜100 20〜50 20〜50


用途
下地めっきの厚さを少なくすることができる。精度を要求する機械部品の防食めっきに、ネームプレートのような鮮明度が望まれる部品に使用されている。

性質
硬さはニッケルめっき程度。黒色皮膜の耐摩耗性は極めて低いが黒色めっき特有の色調は装飾めっきとしていろいろな部品に取り入れられている。また耐食性が大である。

浴種
表に黒色クロムめっき浴の組成及び作業条件を示している。浴は一般に硫酸根の含有しないものを使用し、温度は30℃以下で、めっき時間は3〜10分である。めっき速度は光沢ニッケルより遅いが、耐食性が良いので、下地金属のめっきを省略し、薄くすることができる。ステンレス鋼や亜鉛ダイカストに直接めっきすることができ、工程が簡略化され生産性を高めることができる。

【黒色クロムめっきの 浴組成および作用条件】
三酸化クロム g/l 250〜400 200 200〜300 300〜400 200〜300 200〜300
氷酢酸 g/l 3 6.5 - 5〜450 - -
酢酸バリウム g/l - - 3〜7 - - -
尿素 g/l 3 - - - - -
塩化ニッケル g/l - 80 - - - -
硝酸ナトリウム g/l - 5 7〜12 - - -
ケイフッ酸 g/l - - - - - 0.12〜1.0
フッ化バリウム g/l - - - - 2.0〜5.0 -
温度 ℃ 25 30〜50 30〜50 10〜20 20〜40 20〜40
陰極電流密度 A/dm2 50 100 100 30〜100 20〜50 20〜50


【クロムめっき浴の電流効率】
浴温度(℃) 25 35 45 55 65
電流密度(A/dm2
10 24 13 12 10 -
20 32 19 16 13 -
30 36 25 18 16 12
40 - 34 19 17 13
50 - 36 21 18 15
60 - - 22 19 16


メッキ法
電気めっき法

作業工程
一般に行われている鉄鋼部品のめっき工程は次のようになる。
素地加工→仕上げ研磨→予備洗浄→マスキング→治具取り付け→仕上げ洗浄→水洗→陽極処理→クロムめっき→水洗→治具取外し→水洗→乾燥→加熱処理→仕上げ研磨

予備洗浄および仕上げ洗浄は油脂類、酸化物、スマットなどが付着していると密着が劣るので、適切な洗浄および陽極処理を行う。マスキングはクロムめっきを必要としない部分にめっきが付かないよう、絶縁テープや布をあて、塗料や鉛箔でカバーする。 

陽極処理(エッチング)は材質によって適当な電解液および電解条件を選ばなければならない。普通鉄鋼素地に対してはクロム酸200g/l、またはめっき液を使用し室温かめっき温度で10〜30A/dm2で処理する。

浴の管理
クロムめっき浴の管理は、現場的には、比重計とハルセル試験で簡単に行われることも多い。最近はイオン電極の普及により、ケイフッ化物を正確に、定量することが可能になっている。

触媒根が多い場合は被覆力が低下するので、ハルセル試験で容易に判断できるが、触媒根の少ない場合は一般に良好なつきまわりを示すので、この点注意する必要がある。亜鉛や銅が混入した場合も被覆力が低下し、低電流密度部のニッケルがエッチングされることがある。鉄は化学分析によるものが最もよい。金属不純物が多くなった場合、クロム酸濃度を高めることが唯一の救済法である。三価のクロムや金属不純物の除去には、ポーラスカップが今でも使用されている。

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