金メッキ

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≪ 表面処理 ≫

工程
金メッキ
金メッキ
特徴
金めっきは貴金属装飾や電子部品まで幅広く使用されています。
金は化学的に非常に安定した金属である。

金メッキ浴の種類及用途
浴の種類 主な組成 pH 主な用途 特徴
アルカリ浴    シアン化金カリウム
シアン化カリウム 
8.5〜13.0 装飾用;装身具、喫煙具
工業用;電子部品 
60〜110Hvで柔らかい
ピンホールが出来やすい 
中性浴 シアン化金カリウム
EDTA
りん酸
6.0〜8.5 装飾用;装身具、時計側
工業用;ICヘッダー、リードフレーム、トランジスタ 
高電流密度が使える
高純度の金が得られる為、半導体部品に用いられる 
酸性浴 シアン化金カリウム
クエン酸
Co塩、Ni塩
3.0〜6.0 合金;接点用部品、プリント基板
純金;ICヘッダー 
皮膜が硬く、耐摩耗性が優れている
ピンホールが少ない 
ノーシアン浴 亜硫酸金
亜硫酸 
6.0〜11.0 合金;コネクター、時計側、スイッチ、プリント基板
純金;コネクター、プリント基板 
シアンを使わない
析出速度が遅い
分解しやすい


性質
1.耐食性が優れている。
2.経時変化による接触変化抵抗値の変化が小さい。
3.はんだ付け性が良い。
4.ボンディング性が優れている。

以上から、電気・電子工業発展に伴い、利用が拡大している。
しかしながら、産出量が少ない希少金属であるため、他の金属と比較して高価である。
近年、膜厚を薄くしたり、必要な箇所に部分金めっきを行うなど、可能な限りコストを抑える方法が取られている。

【めっき法】

電気めっき



メッキ装置
1.めっき槽;金属槽にPVC、PPなどを内張りしたものが望ましい。
2.攪拌;液攪拌方式。エア攪拌は使用しない。
3.加熱;スチーム、ヒーターなど耐薬品性を使用する。合金めっきの場合、温度格差で合金比率が変化する為、温度を一定に保つようにする。
4.ろ過機;カートリッジタイプを用い、1ターン/ 時間以上回転するようにする。
5.整流器;直流電源を使用する。
6.陽極;通常不溶性白金またはチタン上に白金めっきを施したものを使用する。アルカリ性浴はステンレスを用いる場合もある。

メッキ方法
・バレルめっき…小物をめっきする際に利用されている。
・静止めっき…比較的大きな品物にめっきをする場合に用いられる。
・高速度めっき…短時間に所定の膜厚を得ることを目的としている。

メッキ浴管理
・アルカリ性浴…合金比率を一定にすることが重要。金との共析金属濃度管理を行うとともに、遊離シアン濃度調整も必要である。
・中性浴及び酸性浴…金濃度、pH、その他添加剤濃度管理を行う。添加剤濃度とは、pH緩衝剤や錯化剤であり、最も簡易的な方法は、めっき液比重測定がある。

不純物の影響
影響を及ぼすものに、金属イオンと有機物がある。めっきでは特に金属イオンの影響が大きい。不純物の多量の混入は液更新を早める原因となる。

●金属不純物…前工程よりの持ち込み、その他素材金属または下地めっき皮膜の溶解などによって増加する
防止⇒金ストライクの利用。後工程へ持ち込まないことと良好な密着性を得られる。
最も影響が大きいのが鉛イオンで、プリント基板やはんだ付けしてある部品へのめっきには、特に注意する必要がある。

●有機不純物…金めっき浴外部より持ち込まれ汚染される
プリント基板などめっきの際に、フォトレジストやマスキングテープ粘着剤の溶解により汚染される。
めっきへの影響⇒かぶり、クラックなど。
防止⇒活性炭処理にて除去する。

下地メッキについて
貴金属めっきは、特に薄めっきにあっては、下地めっきは拡散防止や耐食性向上に重要である。銅合金に薄めっきを行った場合に経時変化にて変色することがある。下地めっきの種類を下記に示す。

素材 下地めっき
不要
銅合金(含鉛快削黄銅) Ni、Cu、Sn-Ni
Ni、Cu+Ni
ステンレス鋼 Niストライク
亜鉛及び亜鉛合金 Cu+Ni
アルミニウム及びアルミニウム合金 (Cu)+Ni
その他素材及びはんだ接合部のある素材 Ni又はCuを必要とする場合もある


金メッキ浴作業における異常発生の原因と対策
現象 原因と考えられる因子
1、クラック発生 ・ 光沢剤添加量が過剰
・ 電流密度が適正でない(高い)
・ めっき液の汚れ
2、密着不良 ・ 前工程活性化方法不適当又は不十分
・ 金ストライクめっき条件が不適当(電流密度が低い)
3、めっき厚のバラツキ ・ ラックの不備(接点のばねの強弱)
・ タンク内の迷走電流・ 整流器不調
・ pHが不適正・ クロムイオン混入
4、粗い析出 ・ 液の汚れ(固体微粒子の混入)
・ 前工程の不適当
・ ラック不備
5、電着速度が遅くなった ・ 液温が低い
・ 比重が低い
・ pHが低い
・ 金濃度が低い
・ クロムイオン混入
6、かぶり ・ 下地めっき不調
・ 浴中にシリカ混入
・ 有機不純物蓄積
・ 水洗水の温度が低い


新しい金メッキ技術
近年、金めっき及び金合金めっきの新技術開発が進んでいる。
「無電解硬質金めっき」、「ノーシアン金合金めっき」、「電解法アモルファス金合金めっき」、「無電解めっきによる金マイクロバンプ形成」

各種金めっきの新規性

題目 新規事項  
アモルファス金合金めっき 膜の構造 アモルファス(非晶質構造の)金合金
ノーシアン硬質金合金めっき 液の組成 非シアン硬質金合金めっき液
=毒性、攻撃性の低い硬質金めっき液
無電解硬質金めっき 成膜方法 無電解硬質金めっき液(従来電解のみ)
無電解めっきによる金マイクロバンプ形成 微細構造物形成方法 マイクロバンプを無電解金めっきで形成


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