普通浴 無電解銅メッキ

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≪ 表面処理 ≫

無電解銅メッキ
普通浴
普通浴 無電解銅メッキ
特徴
現在のプリント配線板の製造技術においては、管理方法や廃液処理の問題などから薄付け無電解銅めっきによるサブトラクティブ法が一般的である。
近年人体への悪影響や環境汚染の問題からホルマリンフリーのめっき浴が検討されている。又、多層プリント板の内層銅箔粗化処理にも無電解銅めっきが応用されている。

用途
【室温タイプの薄付け無電解銅めっき液(ロッシェル塩浴)】
プラスチックへのめっきやスルーホール、ビルドアップ基板の回路形成時。
電気めっきの下地として導電性皮膜を形成。

性質
無電解銅めっきは幅広い膜厚範囲と比較的純度の高い銅皮膜形成技術である。
プリント基板を製造する際の電気銅めっきの下地や電磁波シールド用の導電性皮膜等として工業的に数多く用いられている。

浴種
【室温タイプの薄付け無電解銅めっき液(ロッシェル塩浴)】
銅イオン(硫酸銅・五水和物) 0.03mol/l
ホルマリン 0.30mol/l
錯化剤(ロッシェル塩) 0.30mol/l
添加剤 便宜
pH 12.5
浴温 20〜30℃
めっき時間 膜厚 1.2〜1.5μm/hr


メッキ法
無電解めっき

反応について
【主反応 ホルマリンによる銅イオンから銅への還元反応】
Cu2+ + 2HCHO + 4OH- → Cu + 2HCOO- + H2O + H2↑
・浴中の銅イオン濃度減少
・浴中のホルマリン濃度減少
・pH低下
   
副反応 カニッツアロ反応
2HCHO + OH- → HCOO- + CH3OH

【アルカリ性でホルマリンは亜酸化銅も生成する】
2Cu2+ + HCHO + 5OH- → Cu2O + HCOO− + 3H2O

亜酸化銅の不均化反応により銅粉末が生成 浴安定性低下
Cu2O + H2O → Cu + Cu2+ + 2OH−

無電解銅めっきの添加剤は表面吸着と共に皮膜内部に取り込まれ減少するものが多い。
また、錯化剤は汲み出しのみで濃度が変動するため、無電解銅めっき反応では顕著な変化は起こらない。
無電解銅めっきの連続稼動では錯化剤以外の主成分濃度や添加剤濃度が低下する事でめっき皮膜物性の変化や浴安定性の低下を引き起こすことがある。
このため安定なめっき反応を維持させ良好な皮膜を得る為に銅イオン、ホルマリン、アルカリ剤及び添加剤を補給する必要がある。   

さらに安定させるには空気攪拌も重要な要素になる。
亜酸化銅が生成した場合、空気攪拌の酸素により酸化溶解が促進される。

【Cu2O + 1/2O2 + 2H2O → 2Cu2+ + 4OH】
これにより浴安定性が改善されるが、無電解銅めっき浴中には、1価の銅と錯形成する。
2,2−ビピリジルやチオ尿素等が安定剤として添加されている。
また、主反応や副反応の結果生じるギ酸イオンや硫酸イオン、塩素イオンが蓄積し、めっき液特性に悪影響を及ぼす事もある。
このため、銅イオン、ホルマリン、アルカリ剤の主成分濃度のほかに、錯化剤、添加剤、ギ酸イオン、硫酸イオン、塩素イオンの濃度を必要に応じて分析する必要がある。

分析方法
【銅濃度】
ロッセル塩浴
錯化力が弱い為、酸化還元滴定法を用いる。
チオ硫酸ナトリウムで滴定する事が可能である。
2Cu2+ + 4I- ⇔ 2CuI + I2

【ホルマリン濃度】
亜硫酸ナトリウムを過剰に加え、分解されて生成された水酸化ナトリウムを中和滴定する事で分析する。
HCHO + Na2SO3 + H2O → HOCH2SO3Na + NaOH

【水酸化ナトリウム濃度】
pH滴定で分析する事が可能。
一般的なEDTA浴は変極点がpH10.5付近である。
この変極点までpH滴定する事で濃度分析する事ができる。
自動分析装置は中和方法を用いて精度良く分析する事が可能である。

【錯化剤濃度及び添加剤】
キャピラリー電気泳動法が最適である。
(浴中に蓄積されるギ酸イオン、硫酸イオンについても適応可能)
又、イオンクロマトグラフ、高速液体クロマトグラフ等で行なう場合もあるが、高アルカリ性の液の為、分析前処理、カラム汚染・劣化に注意する。

管理について
一般的に市販製剤はめっき特性が変動しない様調整されている。
初期に成分濃度の分析を行ない 一定の補給量を決定する。
安定稼動を続ける為には、定期的に主成分濃度を分析する必要がある。
最近では添加剤についても管理が求められる場合がある。

廃液、廃水処理
銅、錯化剤、還元剤及び安定剤が含まれている為、直接処理することが非常に困難である。
一部では溶液の長寿命化、リサイクルの試み、銅やEDTAの回収も試みられているが一般的には廃液業者に委託する場合が多い。

設備及び測定機器
【設備及び測定機器】
1.垂直バッチ式、水平搬送式の両方が用いられている
2.めっき槽の材質は塩化ビニル(PVC)やポリプロピレン(P.P)等が多い
3.空気攪拌や循環、ろ過は必須
・ロッセル塩浴 
・EDTA浴   
・混入物・生成した銅粒子を除去する為、循環・ろ過を行なう
4.冷却及び加温設備を必要とする場合もある
5.自動分析管理装置の導入が増えている、厚付け無電解銅めっきには必須となる
6.換気設備はホルマリンを使用する為、十分な換気が必要

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